4th November 2020
担当:武藤 正樹(建築研究所)
Building RoomのLAW@BIMグループの主催により、契約等の法規に関わる情報共有のために、General Roomのセッションとして開催された。初めに、Eduard Dischkeから、LAW@BIMグループの概要が説明された。
次にMay Winfieldにより、契約等の法規について発表があった。BIMの世界的な適用が進む中、Ad Hoc /Unofficial, Mandates, Standards & Contracts, Guidance、とその時代に求められる方法でBIMの標準や実装が進められてきた。ISO 19650はその集大成として確立した国際規格である。ISO 19650では発注者と元請け、元請けと下請けとのEIR,BEP,MIDP,TIDPについて、多言語でコンセプトを示している一方で、契約等における法的位置付けが不足しており、問題や危険性が存知されているとした。その一因として、専門用語や略語が分かりにくいこと、参照する基準で同じ用語に多義性が生じていることなどを挙げた。 Johannes Meyer-Myklestadは、ノルウェーの効果的なプロジェクト運営について、契約上の障壁を明らかとし、新しい方法論の提案をした。効率的なプロジェクト運営の方法論は早期関与(Early Involvement)、IPDとVDCであるが、契約上の問題として、責任範囲の不明確さ(Unclear Lines)、責任と利益の不整合(Disaligned Interests)、施工情報の設計段階での反映が不十分という点が顕在化している。これらの解決には、「過失当事者の支払い義務(”the negligent party should pay”)」、インセンティブの導入、責任の明確化、契約の選択肢の準備が有効とした。